いもようかん

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~のいもようかんのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

聴力がなくなるとあれだけ人生が変わってしまうのが衝撃だった。

父親のところに行った恋人の腕から引っ掻き傷(リスカ?)が消えていたのが切なかった。主人公がこれからバンドも元に戻れる!と語っても返事をしないところも。もう完全に今までと違った人生になることを、恋人はもっと早く気がついていたのかもしれない。だからこそ、主人公は決断を迫られた時に手術をしてでも元の生活を何とか取り戻そうとしたのだと思う。恋人の歌声もノイズみたいに歪んで聴こえるようになってしまったのもつらすぎる。最後に補聴器を外して音が無くなったとき、コミュニティ長の「静寂こそ平穏」の意味が分かってしまったんだろう。喪失のあとは新しい自分になってしまうこと、それを何とか飲み込むしかないということだと思ったが、それにしてもあまりにも切ない映画だった。
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