英語読み邦題がついてるがタイトルは日本表記ならブルゴーニュ公爵(劇中に出てくる蝶の名前、ハメリス・ルキナ)のほうがよかったんじゃないかと思ったり。
「バーバリアン怪奇映画特殊音響効果製作所」「ファブリック」のピーター・ストリックランド監督。
蛾蝶の研究をする教授シンシアとその生徒のエヴリンのレズビアンSM映画…のように見えて、これって純愛映画なんじゃないか?
二人は恋人関係のようだが中盤まではシンシアがエヴリンをまるで性の奴隷のように扱う様子や虐待が描かれる。かと思えば恥ずかしくなるくらい甘い言葉を囁きあう二人。
エヴリンは喜んで仕えているように見えるがはたして……
いくらなんでも恋人におしっこするのはどうなんだと思うが。
シンプルにそういうことかとわかるのだけど、それでも曖昧に描かれる部分もあるのでいろいろ想像の余地がある。
彼女はなんのためにそこまでするのか。多分老いと孤独に耐えられなかったんだろうとも思えるし、あなたをここまで愛しているから失いたくない(からそういうことになっている)とも思えるし。むしろ両方だったんだろうな。
雰囲気がとても変態じみているが、凝ったアート映画にも感じる不思議な映画。
蝶や蛾が苦手な私は目を背けるシーンが何度もあった。あれだけ視覚と聴覚両方でやられるとキツかった。苦手な人は注意。