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荒野にてのcookieのネタバレレビュー・内容・結末

荒野にて(2017年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

主人公が孤独や喪失を抱えて彷徨う、辛いロードムービー。

学校に通っていないのは分かったが、友人もなく、バイトをするわけでもなく、家の中で何をするでもなく過ごしたり、近くをランニングしたりして毎日を過ごす少年の様子を、最初は違和感を持って見ていた。

父子の関係は悪くなく、父親は息子チャーリーを愛してはいるものの、偏った物差しでチャーリーをがんじがらめにしていることに何も感じていない(貧しいから仕方ない?)ように見え、チャーリーが不憫でたまらない。

天涯孤独となり、競走馬を引退したピートと共に、手がかりの殆どない目的地へと旅に出るチャーリー🐴
客観的に見て、施設で生活しながら捜索するべきだとは思うが、一番平穏だった時の記憶が彼を突き動かす。

ただただ広大な荒野にポツンと佇む姿が、彼の孤独を象徴していた。
自身のことを話せる唯一の相棒ピートに乗ることはせず、途方もない道のりを歩いて進むチャーリーに感情移入して見ていたところにあの事故❗
この世の終わりのような絶望感が、一気に湧き上がる💧

過酷な道のりだが、見逃してくれたレストランの女性を始め、心優しい人との出会いもあった。 

ピートに語る旧友への思いや、伯母に尋ねる「刑務所から戻っても...」の言葉が、胸に染みる。

静かに淡々と進行していく中、主人公の演技に引き込まれ、自分と同化するような感覚に。
馬の走る姿(特に返し馬)を見るためだけに競馬場へ足を運ぶ私にとって、印象深い作品。

原題は、ピートの競走馬名「Lean on Peat」🐎
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