イギリス人監督アンドリュー・ヘイが描く”アメリカ”。
ちなみにアメリカ社会の抱える闇をコミカルに描いて、アカデミー作品賞を取るほど絶賛された映画『アメリカン・ビューティ』。
この作品の監督サム・メンデスもイギリス人。
「馬を愛しちゃダメ」
父を亡くした少年。
屠殺される予定の馬。
荒野を歩きながら、少年は馬に語りかけ続ける。
“彼ら”が、どこに行こうとしているのか分からない。
“目的地”は、分かっていても、どうなるのかは分からない。
見る者は、見届けることしかできない。
だからこそ、目が離せない。
瞬きさえ、はばかれるほどに。
これほど、”静かな”映画なのに。
「静かなる雄弁」。
舞台をアメリカに移しながらも、アンドリュー・ヘイ節は変わらない。