ごんす

傷だらけの悪魔のごんすのレビュー・感想・評価

傷だらけの悪魔(2017年製作の映画)
1.0
今どきの女子高生のいじめ事情をリアルに描いた青春サバイバルドラマ(U-NEXT様より引用)

東京から田舎の学校に転校してきた足立梨花さん演じる主人公がひょんなことからいじめに遇いサバイブ(笑)する話。
クソ映画と呼ばれる作品に使われる手法をだいたい取り入れてて逆に意識高いのかと思った。
10分持たずにくだらなすぎて観るのを辞めるか嘘だろ?と前のめりになるかどちらかでしょう。

先に誉めポイントを語っておくと足立梨花のスタイル。
これだけ手足が細長いと漫画原作モノのヒロインなどやらせてみたいと思う作り手の方々は結構いるのではないかと思った。
演技面では主人公も誉められたもんじゃない嫌な奴という感じ悪さも出せていたと思うので悪くはなかったのかも。
しかし結局クソスローモーションやバカBGMの犠牲になりどうしてもダサくは見えてしまう。
前半はモノローグ多用しまくりで途中から心情吐露マシーンになる所なんかも基本に超忠実でした。

どうやらこの映画が公開された2017年は日本映画界にとって厳しかった様でコナン、ドラえもん、ポケモンで何とかお客さんを確保してあとは漫画原作の実写化が例年より多い気がする。
勿論面白い漫画原作もあったけど。
大御所監督の作品では『三度目の殺人』や『アウトレイジ最終章』などが公開されてました。

ちなみに流行語大賞は「インスタ映え」と「忖度」の年。
そう考えると本作『傷だらけの悪魔』のような最低品質の映画が世に出ているのも納得。
女子高生といじめがポテトとハンバーガーぐらい分かりやすくジャンクに描かれている。

え、おまえそれだけの為に前半から謎に存在感あったの?という人物やスマホやSNSの闇表現が本当にお粗末。
基本後だしジャンケンのくせに伏線回収みたいにするのも見習い詐欺師みたいで見事。
世間でイヤミスがもてはやされた影響でこういうのも大量に出回った年だったのか。
褒めるにしても貶すにしてもいじめについてここまで考えさせられないのは想定外。
もはやいじめをエンタメの装置にするなというレベル1の批判すらさせてもらえない。
何の話だったんだろうという点は水谷豊監督の『轢き逃げ』と少し通ずる所がある。

とりあえずオープニングからエンドロール後のドヤまでふざけていた作品をシラフで観てしまった自分が今になって恥ずかしい。
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