MakotoShirane

ヒマラヤを越える子供たちのMakotoShiraneのレビュー・感想・評価

ヒマラヤを越える子供たち(2000年製作の映画)
5.0


自分の生まれた場所で、自分の国の文化や言葉が学べないとしたら。そんなありえないことが世界では起きている。

チベットに中国とゆう大国が侵攻していらい、中国政府はチベットの人々にチベット本来の教育に大きな制限を掛けた。学校でのチベット語の禁止、彼らの父とでもゆう存在ダライ・ラマの否定。今チベットとゆう場所ではそこにあった本来の文化が消えていっている。
子をもつ親はその現状に危機を持ち、今生の別れになるかもしれない大きなリスクを冒して、ダライ・ラマのいるインドのダラムサラに我が子を亡命させる。亡命を斡旋する闇のガイドに預けて..

映画はそんな親元を離れたまだ10歳にもみたない子などの過酷な亡命旅に密着している。プロの登山家でもかなりの装備をしないと命の危機に晒されるヒマラヤ山脈を正に着の身着のままの服や靴で歩く彼らの映像が映し出されている。その姿はとても痛々しい。お母さんに会いたいと泣く子供、過酷な旅をしてきた衰弱しきった少年達の目。映し出される映像はどれも事実でありまさにドキュメンタリーの真髄だ。とても心が痛くなる。この事実を世界に伝えたいとゆう監督のジャーナリズム魂がとても伝わってくる映画だ。
時間は30分と短いのだが、チベットで起こってることに興味を持つきっかけには十分過ぎる内容。

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