刑事ラヴァルダンのnagashingのレビュー・感想・評価

推理小説の映像化を100分以内にまとめつつ、「まなざし」の装置をあちこちに散りばめる手際のよさ。現場検証のための俯瞰ショットがちゃんと隠しカメラの存在につながっている映像ならではのミステリ的フェアネスには感心した。鏡越しのベルナデット・ラフォンで始まり終わるのもそうかもしれないけど、殺人シーンがあきらかに『飾窓の女』からの引用と思われる。道楽者の趣味人で姪っ子にダダ甘のジャン＝クロード・ブリアリ叔父さんがステキ。出張に歯みがき粉を大量に携帯してるのがいちばん笑えました。