三隅炎雄

やくざ対Gメン 囮の三隅炎雄のレビュー・感想・評価

やくざ対Gメン 囮(1973年製作の映画)
3.0
マトリの潜入捜査官梅宮辰夫とヤクを捌くやくざ松方弘樹の絆を描く。原作は飯干晃一。『仁義なき戦い』ヒットでそれいけやれいけと慌ただしく作られたのだろう、麻薬組織の描き方に生々しさや新しさがあるわけでもなく、内容は極めて薄い。実録調にもハードボイルド調にも行けず、工藤監督不遇期の一本で、素材と自分のスタイルの間で立ち尽くしている印象だ。最後のカーアクションも日本的な貧しさで寂しい限り、脇の文太が渋く決めた謎のハードボイルドショットで映画が終わってポカン?となる。絶倫ヤクザ松方はここらあたりが出発か。
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