穂苅太郎

コンプリート・アンノウン 私の知らない彼女の穂苅太郎のレビュー・感想・評価

3.5
平野啓一郎の小説「ある男」の女性版。「ある男」は犯罪がらみもあって、サスペンスな展開だが、こちらは平野啓一郎いうところの「分人」それの依存症とでもいおうか。
「ハケンの品格」の主人公と重ねたりして、それはあながち間違いでもないような。
つまりかなりのスーパーな存在なわけだ。レイチェル・ワイズにあっている。マイケル・シャノンに分人を強要する場面がSMプレイのようで楽しい。
会話の妙やあくまでも個人の内面の吐露なので、何かが起こるわけではない。ここで何かが起こればもっとヒットしただろうけど、この静謐な文芸感は遠ざかっただろう。
地味ながらnot badというところ。
「ミザリー」ですごく大女だったはずのキャシー・ベイツが小っちゃいおばあさんで出てくる。体形はそう変わっていないとすると演技でそう見えるのか。
穂苅太郎

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