アカデミー賞にもノミネートされた『そして、ひと粒のひかり』のジョシュア・マーストン監督のAmazonオリジナル映画。
すごく好き。人によっては全く分からないかもしれないけど、痛いほど身に染みてしまった。
なによりマイケル・シャノンとレイチェル・ワイズの演技が本当に素晴らしい。とても繊細な心の動きを上手く、自然に表していた。
終盤分かり合えたシーンは言わずもがな、トムが医者としての演技をすんなり受け入れてしまい、自分の中にある変身願望を恐れたあのシーンとか名シーンだよなぁ。
彼女はその実行力は確かに異常であるが、「違う自分になりたい」という欲求は多くの人が分かるところなのでは。他人によって自分というものが凝り固まってしまうことを恐れて世界各地を転々とする彼女は楽ではあるが悲しくもある。
そして成り行きで仕事にも満足していないが、環境を変えることを踏み出せないトムは彼女によって確実に変えられた。
彼女はトムに変化を与えた。他人が自分に、そして自分が他人によって形成されることを拒む彼女にとってはやはりトムは最愛の人なのだろう。
しかしまた彼女は繰り返していく。トムに理解してもらえた彼女は今までより明らかに嬉しそうだった。
キャシー・ベイツやダニー・グローヴァーも流石の存在感。全然期待していなかったのにかなりやられてしまった…おすすめですよこれ。