シネマスナイパーF

ガラスの城の約束のシネマスナイパーFのレビュー・感想・評価

ガラスの城の約束(2017年製作の映画)
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ハマる人はハマると思う
面白いとは思う


両親それぞれの登場シーンの印象が悪すぎる
実際コレが観る人の評価を決定的に分けかねない
自己満足で絵に傾倒していたばかりに子供に大火傷負わせた母親、その子供を入院中にも関わらず病院から連れ出す父親、普通の人とズレてるっていう描写にしたって流石に非道い
でもコレ実話なのよね
しょうがないか

厳しい経験があるからこそ今がある、っていうのを出来るだけプラスに捉え、血が繋がっているということで結局父親の暴論もどこか愛おしく感じてしまう
なんて都合のいいことあるか?と思いがちだけど、彼が彼の母親に対して異常に萎縮している様子があまりに強烈で普段とのギャップがありすぎるから妙に説得力がある
アルコールに浸るのは勿論ダメダメだが、抑圧というほどの抑圧はしていないように見えたから
そのアルコールも一時は死ぬ気で断とうと努力してたし、恨みきれない人間味がそう感じさせるのかもしれない

コレもコレで豊かな人生、という風に割り切って前を向けるほどの力強さがあったから現在は普通の暮らしをできているのであって、結局子供達にも親父並みの我の強さがあったのかなと感じる
当の親父の芯は弱かったけど

現在の時点を進む中都度都度で回想に入るのですが、既にみんな立派に自立している以上そのうち我慢がならなくなって出ていくことは目に見えているわけです
親父が気にくわないこと起こしたり、主人公が思い悩むと何かしらの回想が入る、というシステム
いい親父としてのエピソードとクソ親父としてのエピソードが交互に絶妙なバランスで配されているのでこっちもやっぱり憎みきれない気にもならないこともない
結局初登場シーンの印象がどう最後まで影響するか
僕は母親を最後まで好きになれませんでしたね〜これは褒めるところですけどジャネットとのサシ飯の時の絶妙な意地汚さがクセになる
ウディハレルソン、ナオミワッツのガキ親演技、嫌いな人もいるみたいですけどちょうどいいウザさだったと思います

ブリーラーソンは美人モードとカワイイモードがスムーズですね
真面目顔だと美人モード、笑うとカワイイモード
あの大きめな口で笑うのがタマラン
子供時代と似ても似つかないのは目を瞑る