ヤスマサ

グリーン・ゾーンのヤスマサのレビュー・感想・評価

グリーン・ゾーン(2010年製作の映画)
3.5
対イラク戦争の原因となった大量破壊兵器の所在を突き止める任務に就いたロイ・ミラー(マット・デイモン)が、戦争に至った真相に迫るサスペンス・アクション。
イラクのバグダード市内のアメリカ軍駐留地域である「グリーン・ゾーン」を舞台に、極秘任務の情報の信憑性と国防総省の動きに不審を抱いたミラーが、CIAのマーティ・ブラウン(ブレンダン・グリーンソン)と調査を始める。

ノンフィクション作品の映画化とのことだが、どこまでが事実か分からない。
この戦争で、アメリカが指摘した大量破壊兵器が発見されなかったこと、戦後の治安悪化が問題視されたことは世界中が知る事実だ。
イラク国内の治安維持のため、日本でも、PKO活動外での自衛隊派遣が問題となった。
この映画が全て実話であったら、本当に怖い話しである。
疑問を抱くミラーの行動は、やもすれば規律違反では済まされない。
戦争の大義が揺らぐ闘いが、ハンディカメラの臨場感溢れる映像で、より緊張感と真実味が増して描かれていて、スリリングで面白い。
アメリカ国務省駐在高官であるクラーク・パウンドストーン(グレッグ・キニア)は、絵空事で辻褄を合わせようとする非常に危険な存在だが、取り返しのつかない状態に陥るアメリカの狂気そのものに見える。
地元の元イラク軍人フレディが言う「この国の未来を決めるのはあんたらじゃない」が、この映画の意味であり、利己主義で欺瞞に満ちた大国へのアンチテーゼなのだ。
世界情勢や陰謀論とかが好きな人にお薦めの映画。
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