ーcoyolyー

禅と骨のーcoyolyーのレビュー・感想・評価

禅と骨(2016年製作の映画)
3.6
鈴木大拙系の人の話かと思ってたら全く無関係のとんだ生臭坊主の話でした。
日本にもアメリカにもどこにも居場所がなくて寂しい人だったんだろうな、とは思う。でもその寂しさを突き詰めることなく中途半端な場所で暴発させてばかり。何をやってもとりあえずのそれっぽい形は作れてもそこである程度満足して止まって極めることができず他のことに逃げてしまう人。禅僧とは名ばかりで悟りとは程遠い人。悟りとは程遠いのに異形のものなので異物感からの特別扱いでなんとなくそれで許されて結果お寺でもやっぱり居場所がないの残酷だなとも思う。でもその残酷さに甘えてるのも本人だからしょうがない。

家族に対する毒っぷりが祖父や父を思い起こさせるものがあってキツかった…母親の手紙の愚痴愚痴愚痴の羅列聞かされると毒親の連鎖だともわかるので更にキツい。救いはお子様たちがそんな父の姿を反面教師にして真っ当に育っていると少なくともこの映画の中で編集された中では感じられるところですかね…

自分を見つめることから逃げて色んなことやろうとして、でも何かを極めるためには自分を見つめ直すことが必須になるのでその段階に差し掛かるとまた逃げて他のことに興味を持ってというやり散らかし方をし続けるのは苦しいんだろうなとは思うんだけどその苦しさを周囲に撒き散らすのは違うので、はた迷惑な人が死んでよかったですね、と毒親持ちの仲間としてはお子様方には声かけたいですよね。親が(できるだけ私により多く有益な遺産が残る形で手を煩わせることなく)死ぬことしか望んでないですもんね私も。

最近のウエンツ瑛士は悪い意味でこの人と似てきている気がするので、彼を反面教師として役者として大成して欲しいなと勝手ながら思いました。
ーcoyolyー

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