ノラネコの呑んで観るシネマ

禅と骨のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

禅と骨(2016年製作の映画)
4.2
赤い靴から始まる物語。
京都天龍寺の禅僧・ヘンリ・ミトワの生涯を追ったドキュメンタリー。
こういう作品を観ると、世の中には本当にいろんな人がいると改めて思う。
アメリカ人の父と日本人の母の元に生まれ、二つの国で戦争と平和を体験する93歳の波乱万丈の人生。
この人のことは全く知ら無かったが、一般的な宗教家のイメージからは大きく逸脱してるというか、破壊僧だったという一休禅師は、もしかしたらこんな人だったのかもと思った。
上手くいくいかないは別として、やりたいことだけやった人生で、とことん俗っぽいんだけど羨ましい。
晩年「赤い靴」の映画化に尽力したのも、かつて捨てた母への贖罪意識というのも、なんだかすごく納得できる。
日米に分かれたミトワ家の家族全員が集まるシーンは、リアル「家族はつらいよ」だったよ。
インタビューだけでなくドラマやアニメも駆使して、文字通り揺りかごから骨まで描く一代記。