父親っていうのは、本当に大変だなと改めて思った。
いつも妻の顔色を伺い、甘い汁はもらえず、年頃の娘のおねだりに答え、悪い虫につかまらないか心配し、仕事での人間関係やキャリアアップに奮闘し、休日は遠くまで運転。
優しさゆえに踏み外した階段を、少しずつ転げ落ちて行き、最後はゴロゴロと音をたてて転げ落ちる様は、決して他人事ではなく、身近な場所で、大なり小なりあれど起こりうることだし、八方塞がりになると、ああなりがちだと思う。
良かったシーンは、病院で、かけつけた女の子のパパが、責めるでもなく、まずハグしてきてくれたシーン。
あと、最後のゴミ箱のシーン。一人の娘の人生の重みを感じた。
あとは、帰りの車の中の、行きと全く同じシーンに見えて、表情がわずかに逆転していたシーン。
映画の中の娘と同じ年の我が娘。これから起こるだろう様々なことへの心構えをさせられたのと、我が夫に、もう少し優しくしてあげようと思えた映画だった。