shino

ちょっと今から仕事やめてくるのshinoのレビュー・感想・評価

3.2
"まあ就職なんてせんでも、意外と生きていけるからな"

バリバリ働いてるときに書店で見かけて、なんとなく読んではいけないような気がしていたベストセラーの原作…!

本の表紙、映画のジャケットよりもだいぶ重たい内容でした。

上司に罵倒され、毎日のサービス残業に心と身体をすり減らしていた主人公・隆の前に現れたのは、太陽みたいに笑う一風変わったヤマモトという謎の男で…

当時の日本人の働き方、会社のあり方にサクッとメスを入れるだけでなく、「生きる上で大切なことってなんだっけ?」と優しく問いかけてくれる映画でした。

私も営業職でノルマはあったし、怖い上司はもちろんいたので新卒だった当時を思い出してひたすら震えました。笑

ゴミの日を忘れて溜めて…冷蔵庫のものを消費できなくて…親との連絡も疎かになって…友達付き合いもめんどうで…休日は仕事のことをぐるぐる考えながら、ひたすら寝るような生活…

叱られ過ぎて、そこばかり気にしちゃうと、その人に叱られないための仕事になって本質を見失うんですよね。
「◯◯さん(上司)のために働いている訳じゃないんだから。」って先輩に言われてはっとしたあの日の苦い思い出…

会社から逃れられない理由をあれこれつけて我慢して、親を悲しませないためにとか言っちゃってるけど、結局親の願いって、"子どもが健やかで幸せであること"であって、"世間体のために身を削って働くこと"ではないんですよね。

それに気づけると、誰かに大切に想われている自分を無下にはできないし、スーって色んなことが重たくなくなる。
ヤマモトの言う通り、望み過ぎなければ案外なんでも生きていけるものなのかもしれません。

もちろん仕事でキラキラして適材適所!って人もいっぱいいるけど、なんとなくしんどい思いをしている真面目な人に…この映画が優しく寄り添えるといいなと思いました。

関西弁はちょっと違和感あるけど、爽やか福士蒼汰、いい!
病んだ社会人男性向けのビューネ君みたい。はじける笑顔とトークで死んだ魚の目をした社会人を元気づけるイケメン、一組織に一人雇えればいいのに。笑
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