ナーガ

ちょっと今から仕事やめてくるのナーガのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

amazon primeで観賞

期待してなかったけど、なかなかしっかりした作品でした。原作があるのですね。
出ている俳優さんたちも好きな人ばかりなので、楽しめました。しかし、ちょっとエンディングが納得できません。

以下ネタバレです。下の方に感想があります。


吉田鋼太郎がブラック企業の部長、先輩に黒木華がいる、そこで働く工藤阿須加が主人公の青山隆です。
隆は、広告代理店の若手社員だが、酷いブラック企業なので、辛くて死にたくなってしまう。死んでもいいと思いながら電車のホームからふらっと線路に落ちそうになるのを、福士蒼汰演じるヤマモトが身を挺して助け、「ひっさしぶりやなあ、俺や、ヤマモトや」と明るく笑う。隆はヤマモトを知らなかったが、同級生だったが転校したから覚えてないかもといわれて信用する。
隆は明るい山本と休日を過ごし、生きる気力を取り戻していく。
しかし小学校の同級生からの電話がきっかけで、隆はヤマモトが同級生ではなかったことに気づき、フルネーム山本純で検索すると、山本純は数年前に自殺していたことがわかる。
隆は、仕事で大失敗をし、吉田鋼太郎部長にひどく罵られ、また死んでしまおうかと悩み始める。会社の屋上の端に立っているところをまたしてもヤマモトに助けられる。
「お前の人生はお前だけのものやない。お前とお前のことを見守ってくれている人のものや」
「子供に先に死なれて悲しまない親が、いるか?」
などと諭されて、隆は自殺を思いとどまり、山梨の実家へ帰省する。「俺が会社辞めたらどう思う」と聞くと、「いいんじゃない。会社は他にもたくさんあるんだし、若いんだからなんでもできるよ。」みたいに言われる。
そして母から、昔家族3人で一家心中しようとしたことがあるとカミングアウトされる。「隆がどんな大人になるか見てみたくなって思いとどまった」とも。

東京に戻った隆は朝からヤマモトを呼び出して、「ちょっと今から仕事やめてくる」
と宣言して、ヤマモトを待たせて会社に行き本当に辞めてきた。黒木華が隆を追いかけてきて、ノルマが怖くて隆の発注書に細工をして手柄を横取りしたと告白し謝罪する。
カバンを振り回して横断歩道をスキップしながら渡り、戻ってくるとヤマモトはいなくなっていた。

ヤマモトは幽霊なのかそれとも天使なのか。

(ここからはさらに重要なネタバレです。)


以前山本純を検索した時に見たブログの主に連絡を取り、ヤマモトが孤児院出身だと知る。孤児院を訪ねて、もと園長の娘(小池栄子)に話を聞き、交通事故で両親を失った双子の片方だと知る。
双子は、写真集で見たバヌアツの子どたちの笑顔を見て、明るさを取り戻したという。そして二人は将来バヌアツで教師と医者として働くことを目指し始める。しかし純は大学浪人中に就職した会社がブラック企業で、自殺してしまったのだった。

ヤマモトは元園長の娘に、隆への手紙を託していた。手紙には、バヌアツに来ないか、と書いてあった。元園長の娘が言うには、書き忘れたことがあるので伝えて欲しい、「ありがとう。隆のおかげで生きる気力を取り戻すことができた。」と。

バヌアツの海辺の小学校で生き生きと、子供たちに算数を教えるヤマモト。そこへ
隆がやってくる。「俺に手伝えることはないかな」
美しい風景の中で子供たちと一緒に走る隆、それを満足げに見つめるヤマモト。
終わり。


(感想)
いい話だったので、覚えておきたくて、気合いいれてあらすじ描きました。
ひどい日本企業と、パラダイスのようなバヌアツという対比が際立っていました。

しかーし、なんだか、ブラック企業のをやめて海外ボランティアに行きましょうというキャンペーンなのかと、訝ってしまうようなエンディングでした。
途中までは良かったんだけどなあ。

ヤマモトがバヌアツで働いているのを映すのはいいですが、隆は日本で地道に他の道を模索しながら、元気に生きて欲しかったです。
いろいろな生き方、いろいろな幸せがあるのですから。
ナーガ

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