半兵衛

サタンのラプソディの半兵衛のレビュー・感想・評価

サタンのラプソディ(1917年製作の映画)
3.8
老女が悪魔から命を代償に若さを得て知り合った若い兄弟との恋を楽しむという女性版『ファウスト』のような物語も楽しかったし、何より人を愛するとその副作用で老化してしまうという設定が人間はいくら表面を若く取り繕っても心の老いは隠しようがないことを的確に突いているようで思わず唸ってしまった。

随所で使われている染色(白黒のフィルムをカラーっぽく染めること)も効果的に使用されていて、若くなったヒロインが瑞々しい生活を派手な衣装とともに楽しく過ごす場面や終盤訪れる老いに花嫁衣装を着て抵抗する場面をあるときには美しくあるときには切なく彩っている。

この世に永遠の美はないと説いているようなラストも心に残る。

ヒロインを演じる女優さんが着ている衣装といい顔立ちといいマタ・ハリのようなオリエンタル系の美人、それに加えて結構グラマラスなので男性が惹かれていくのも理解できる。
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