MasaichiYaguchi

斉木楠雄のѰ難のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

斉木楠雄のѰ難(2017年製作の映画)
2.8
原作漫画やそれをテレビアニメ化したものを読んだことも観たこともない、キャストだけに惹かれて劇場にやって来た“免疫”の無い人が、福田雄一監督によって実写映画化された本作に“遭遇”したら唖然としそうな気がする。
スーパーサイヤ人並みのパワーを持つ超能力者、斉木楠雄を主人公にした青春学園物が脱力系ギャグてんこ盛りで繰り広げられるのだが、目立たず普通に生きたいという主人公をはじめとして、登場する灰汁の強い主要キャラクターによる“濃い”ドラマにむせ返りそうになる。
この作品の世界観やテイストは如何にも「勇者ヨシヒコ」シリーズや「銀魂」を手掛けた福田監督らしいと言えるのだが、ただこの独特の“ノリ”、キャストたちの振り切れたような“変顔”やオーバーアクション、ノビノビとしたアドリブの連発、ある意味“悪ノリ”で構成された本作をスンナリと受け入れられるかどうかで、上映時間97分が楽しいものになるか、苦痛になるか決まると思う。
青春学園物の華である文化祭をモチーフにしたナンセンスギャグ作品を楽しむには、本作に登場する自称斉木の“相棒”を名乗る燃堂力のように、頭を空っぽにして臨んだ方が良いかもしれない。