JAmmyWAng

斉木楠雄のѰ難のJAmmyWAngのレビュー・感想・評価

斉木楠雄のѰ難(2017年製作の映画)
1.0
あらゆる意図をセリフによって説明するスタイル、いわゆる「副音声仕様」は相変わらず絶好調で、確かに今作においては超能力によるリーディングという設定上の免罪符が付与されてはいるものの、だから一体それがどうしたのだろうと思う。

しかしながらこれは福田雄一作品なのであって、やはり他の凡百の副音声映画とは一線を画した演出が、怒濤のごとく押し寄せてくるのである。躊躇うことなくインサートされる説明ビジュアル、説明字幕、そして変顔!ここまで意味を「分かりやすく」してくれているという、その限り無い優しさには毎回涙を流さずにはいられないし、そして根本的にはすべてがテキトーに作られているという事実に、早速涙も枯れ果てるワケである。

僕にとっては、情熱を欠いた「テキトー」には何の意味もないのですけれども、今作は福田雄一のフィルモグラフィーにおいても、それはかなりのテキトーっぷりが発揮されていると思う。
斉木楠雄のΨ難は、邦画の知的退Φをさらに推し進めているのかもしれない。
JAmmyWAng

JAmmyWAng