シネマスナイパーF

新感染 ファイナル・エクスプレスのシネマスナイパーFのレビュー・感想・評価

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思ってたところと違う結末に連れて行かれるのが韓国映画の醍醐味だと思うんですが、この作品はまさに特急列車という乗り物を使ってやってのけた

韓国映画の何が本当に凄いのか誤解してた
バイオレンスこそ特色だと思ってた自分は本当に浅はかだった
人間ドラマが凄いんだわ
邦画はやりたいドラマが先にあってそのために人物を駒として配置し、「場面に対しての演技」を役者に求めている、ように見える場合が多い
悲しいところだから慟哭しろ、コメディだからおもしろおかしい動きをしろ…感動させる、笑わせるという「目的」が第一
だから「感動作」だの「エンターテイメント」だのポスターの時点で観客に先入観を植え付けるようなダサい文句が踊る
対して韓国映画は登場人物の人間性をこそ第一にしているように見える
なぜならドラマを生み出すのは他でもない登場人物達だから
最終的に映画に持つ印象が何であれ、少なくとも観賞中は登場人物に心揺さぶられるのが最も健全なはず
こういう人間にこういうことをさせればこういうエモーションが生まれる、といった具合に
だから韓国映画は様々な感情が行ったり来たりするんだと思う
もちろんそもそも脚本や演出が上手いってのもあるとは思いますけど

邦画で子役出てくるとウンザリすることがほとんどなのに韓国映画映画だと全くガッカリしないんだよな
これはもう子供たちのせいじゃないと思う
明らかに映画作ってる人たちの力量だと思う
どんな場面でもガキっぽい元気さを無理矢理出させるのが日本流だからな!!


ゾンビに話を移すと、ゾンビ化に対する細かい説明とか厳密なルール説明とかは削られている
特にゾンビ化するまでの時間に関しては割と都合が良すぎて若干あれって感じだけど、情報が少ないってのは観客側にも危機感を生ませるので全然ありだと思う
ゾンビが出るまでは少し退屈な時間が続くけど、それでもラストにああいう伏線の回収があると泣いちゃう
やっぱりゾンビ映画作っても人間ドラマ
昨年公開の王宮の夜鬼は残念でしたけども
列車のごときスピード感は爽快だった
面白い!!最高!!