のんchan

エルネストののんchanのレビュー・感想・評価

エルネスト(2017年製作の映画)
4.7
気になって仕方なかったのに、公開当初は時間が合わず観られなかったんだっけ?
そして忘れかけてしまってた(ー ー;)
Filmaのお陰様でようやく鑑賞‼︎

チェ・ゲバラに傾倒し、ゲバラ部隊後衛隊として1967年25歳の若さでボリビアで殺害された、日系二世フレディ前村の生涯を描いている。

父は鹿児島出身の移民者だった。母はボリビア人。父の魂を継承し、責任感・正義感が強く、幼い頃より医師を志したフレディ。医学部では模範的な学生だった。
一方、国内での貧富の差に敏感で、共産党に入党して政治活動にも熱中。その頃からチェに一目を置かれた。

この映画はエルネスト・ゲバラの没後50年を追悼するべく製作された模様。
ゲバラ自身もまだ行年39歳だった。

映画の始まりは1959年7月15日、31歳のゲバラがキューバの通商使節団を引き連れて日本を訪れているところから始まる。
日本の数カ所を巡り、広島平和記念公園内の原爆死没者慰霊碑に献花をしていた。

Wikiを調べるとゲバラは「なぜ日本人はアメリカに対して原爆投下の責任を問わないのか」と問うたという。ゲバラが広島の状況をキューバに伝えて以来、現在でも初等教育で広島と長崎への原爆投下をとりあげているとの事。
そうだったんだ、なんかめちゃくちゃ深過ぎる。

ゲバラの事はこの映画では語りきれないけど、ゲバラと同じ時代に行き、また同じく医師であった日系二世のフレディ。
真面目で優しく情が深い青年。日本人は繊細で気持ちが優しいですよね。

その青年をオタギリジョーがスペイン語(私はアルゼンチンのスペイン語が耳慣れている為、若干ニュアンスが違うときもあった)で演じきっている。
穏やかで誠実で知的で気持ちの熱い青年が似合っていた。
まだ大学生でキューバ兵の見習いの時期にはダンガリーシャツのような軽装にベレー帽を被っている。
同じベレー帽だろうに、なんでオタジョーだけがカッコイイのだろう?
被り方一つでもなんだか全然違った☆

最期は、以前ボリビアの貧しい村に食料を届け、病気の子供に優しくし助けてあげていたのに、その子が成長していて、フレディと育ちの違いもあり(恨みもあったか?)恩が仇になった形で撃たれてしまう。なんともやりきれない。

戦地では本名を使わずあだ名を付ける。
ゲバラはフレディに『エルネスト・メディコ』と自分の名前を与えている。

今でもフレディは当時の同級生達から祈られ彼の素晴らしさを惜しまれている。


素晴らしい良い映画でした。知らない世界が広がったし、エルネスト・ゲバラの事(モーターサイクル・ダイヤリーズをはじめ何作か鑑賞済みも)もっともっと知りたくなりました。
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