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妖しき文豪怪談のRIOのレビュー・感想・評価

妖しき文豪怪談(2011年製作の映画)
3.7
人物や景色の造形は文学を
越えないにしても短編映画として
とても面白いです

特に雰囲気が良かったのが
「後の日」室生犀星の是枝裕和監督

子供が食事に出た魚を見て
捕まったあとに辛いと思うの?と
母親にたずねるのには悲しさがあった

川面に映る提灯の灯り
敷石についた小さな足跡

水を使う表現力は変わらずでした


わきゅあぁ!となるのは
「片腕」川端康成 落合正幸監督

一晩だけ 右の片腕を男に貸すという話

スラッとのびる指の細さ
うすい貝殻のような爪の輝き

己の全てを差し出すかのように
男に意志を委ねている
腕という存在が気持ちを大胆にする
でも それらは血が通うことは
ついにない

妄想だけが頭を撃つ
途中のベッドの周りを車がまわるのに
デビッド・リンチを感じた

君との記憶の共有

大切にして下されば
お話くらいなら伺いますわ




「葉桜と魔笛」太宰治 *塚本晋也監督
「鼻」芥川龍之介 *李相日監督
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