もういっちょ ダニエル・デイ=ルイス。
日本未公開作品。
父と娘 二人だけの世界。
複雑な親子愛の物語。
だけど 二人はとても幸せそうでした。
外部の者が入り込むまでは。
ジャックは娘ローズを学校にも行かせずに 孤島で娘を教育している。
心臓病であるために死期が近い事を悟った彼は
亡き後の娘を心配し 恋人のキャサリンを呼び 一緒に生活を始める。
ジャックとローズはプラトニックな関係。
こう言っちゃおかしな言い方だけど 親子の関係です。
けれど 娘の感情は違っていた。
キャサリンに嫉妬するローズ。
彼女の連子の兄弟に裸で迫ったり
家に行き来する男にキスの練習をねだったり。
父親へのあてつけなんですよね。
そして これ見よがしなシーツの件。
もうね 娘でなくて言わば恋人。
こうなってしまったのは 娘を社会から隔離させたからだよね。
自給自足で島で生活するのも良いけど
娘の将来を考えない 自分よがりの凝り固まった父親の考えの末路。
ローズは愛を得る者がたった一人しかいないから
子供が父親に愛情を乞う
独占したいという純粋な愛。
(外から見たら ちょっとねじれた愛ですが)
そこに彼女の思春期が重なり 性への関心も高まった。
部外者がいなかったら その関心は父親に向けられていたのかと思うと 恐ろしい。
いや ほんとは父親とが望みだったとも考えてしまう。
父親が死んだら自分も死ぬと言っていたローズ。
彼が娘の感情に応えなかったのは ここだけはほっとしました。
あぶない あぶない。
