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ダゲール街の人々のQvQのレビュー・感想・評価

ダゲール街の人々(1976年製作の映画)
3.8
一見何のことはないふつうの街のふつうのひと達のドキュメンタリー。特に何も起こらない、せいぜい街にやってきたマジシャンの剣を腕に刺すマジックとかに気の弱い私は目を伏せたくらいで、展開にドキドキするようなことは何もないのですが、それでもそこはアニエス・ヴァルダ。眼差しがちゃんと人々やその暮らし、その人生に寄り添ってるし、それでいて迎合してるわけでもない、その視点がとても良いのです。

映像の見せ方もマジシャンの出し物とリンクさせたりしててセンスがいい。70年代くらいのパリの下町感も、洗練されてないようでいて、なんか親しみを感じるし意外とちょっとオシャレに感じたりして見ていて楽しかった。

人の営みが愛おしい時代。エモいものに惹かれたりする感覚も多少あり。この人たちが生きていた時代の感覚を、今、もう一回、思い出して取り戻せないかなあ。昭和の日本はもうちょいお節介な感じで、パリの下町はわりと淡々としてる感じはしましたが。
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