もこもも

ダゲール街の人々のもこもものレビュー・感想・評価

ダゲール街の人々(1976年製作の映画)
3.8
パリ14区モンパルナスの一角にあるダゲール街とそこに住む人々を切り取ったドキュメンタリー作品

「無為の時間、空っぽの時間、
 日々の交流というミステリー
 撮影したのはダゲール街の
 華やかさとは無縁の店ばかり
 私の家から50m以内の毎日訪れる店だ」

長くダゲール街に住んでいた
アニエス・ヴァルダ監督自身が
どれだけこの街を、住む人を
愛してるのかが伝わってくる
カメラが向けられているのが
気付いていないくらい自然な日常が
切り取られているのに観れてしまうのは
街も人もほんまに素敵で絵になるから
バゲット1本抱えて歩く日常に憧れる
パリに行きたいなぁ...

心落ち着く詩的なナレーション
出身地、夫婦の馴れ初め、夢のインタビュー
思いの外しっかりしてるマジックショー
マジックショーの間に流れる映像
時折聞こえるアコーディオンの音色
雑貨屋、パン屋、時計屋、肉屋、仕立て屋など
ダゲール街で働く人々の静かで力強い日常
どれも素敵で胸に沁みるものがあった
"灰色の沈黙を纏った女性"と監督が
表現した香水店の物静かな老婦人
ミステリアスでどこか悲しげで品があって
妙に惹かれる彼女を撮りたい気持ちが分かる
彼女が何を想い、考えてるのか知りたいな

「カット!!」
もこもも

もこもも