パリ14区モンパルナスの一角にあるダゲール街とそこに住む人々を切り取ったドキュメンタリー作品
「無為の時間、空っぽの時間、
日々の交流というミステリー
撮影したのはダゲール街の
華やかさとは無縁の店ばかり
私の家から50m以内の毎日訪れる店だ」
長くダゲール街に住んでいた
アニエス・ヴァルダ監督自身が
どれだけこの街を、住む人を
愛してるのかが伝わってくる
カメラが向けられているのが
気付いていないくらい自然な日常が
切り取られているのに観れてしまうのは
街も人もほんまに素敵で絵になるから
バゲット1本抱えて歩く日常に憧れる
パリに行きたいなぁ...
心落ち着く詩的なナレーション
出身地、夫婦の馴れ初め、夢のインタビュー
思いの外しっかりしてるマジックショー
マジックショーの間に流れる映像
時折聞こえるアコーディオンの音色
雑貨屋、パン屋、時計屋、肉屋、仕立て屋など
ダゲール街で働く人々の静かで力強い日常
どれも素敵で胸に沁みるものがあった
"灰色の沈黙を纏った女性"と監督が
表現した香水店の物静かな老婦人
ミステリアスでどこか悲しげで品があって
妙に惹かれる彼女を撮りたい気持ちが分かる
彼女が何を想い、考えてるのか知りたいな
「カット!!」