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ダゲール街の人々のEyesworthのレビュー・感想・評価

ダゲール街の人々(1976年製作の映画)
4.6
【街の生活史】

アニエス・ヴァルダ監督の代表作の一つである街角ドキュメンタリー作品

〈あらすじ〉
アニエス・ヴァルダが50年以上住んだパリ14区、モンパルナスの一角にあるダゲール通り。 銀板写真を発明した19世紀の発明家の名を冠したこの通りには、パン屋や肉屋、香水屋など様々な商店が立ち並ぶ。 そんな下町の風景をこよなく愛したバルダ監督が、温かいまなざしと冷徹な観察眼をもって人々の姿を映し出す…。

〈所感〉
アニエス・ヴァルダ監督のこういった作品を見ると自分が住む半径何メートルの生活圏にも物語があって、語りの如何によっては十分に作品たり得ることを学ぶ。香水屋の夫婦がとても印象的で仕事に黙々と励む旦那とその動作をじーっと見つめる奥さん。たまに何も言わず外に出て佇む。店内には外界から遮断されている独特の時間が流れている。そのリズムに耳をすませ、目を凝らせば色鮮やかで贅沢な生活史が読み取れるかもしれない。
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