このレビューはネタバレを含みます
あまりにも衝撃的な歌詞で有名な合唱曲『チコタン』を、岡本忠成監督がもっと踏み込んで映像化した一作。最初は子供がクレヨンで書いた絵のようなタッチが児童の歌う声とともに朴訥な雰囲気を醸し出し、そんな童心に溢れた世界で展開されるわんぱくな男の子が好きな女の子との純粋な恋物語が瑞々しくて微笑ましくなる。
それが一気に変転する終盤は子供だったらきっとトラウマになっているはず、怖い歌詞もさることながらリアルなタッチの絵が不意に登場して子供の世界を破壊していくような衝撃は大人でもショッキングで絶句してしまう。そして主人公の少年の怒りがアニメを黒く染めるラストの衝動!
でもこんな映画が児童向けとして小学校で上映されていたなんて凄いな。