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スプリットのmoekoのレビュー・感想・評価

スプリット(2017年製作の映画)
3.7
アンブレイカブルから17年後に公開されたシリーズ2作目。
女子高校生3名の誘拐事件から始まる本作。その犯人が乖離性同一性障害で、女子高校生3人が逃げようと模索する、というのがこの作品の大雑把なストーリー。
まず驚いたのがアンブレイカブルとは全く異なる雰囲気であること。シリーズとして認識していなかったら、ラストシーンまで気付かなかったかも。今回はスリラーだな、と思って見始めたものの、最終的にはパニック映画の様相を呈します。このパニック感、結構好みでした。そこに行き着くまでのヒリヒリした感じも好き。特にフレッチャー先生との会話戦は見ものだし、ケイシーとの攻防も良かったです。そして、アンブレイカブルではヒーローを映しながらヴィランの姿を浮き彫りにしたのに対し、本作では真っ向からヴィランを描きます。でも、ヴィランとなる理由は過去にあるというコンセプトは同じ。対照的なようでどこか似ている2作目から発展する次作、どのような作品に仕上がっているのか楽しみです。
本作の1番の見どころはジェームズ・マカボイの快演だと思います。主な人格は5〜6人だけど、それをしっかりと演じ分けているし、良い意味でちゃんと気持ち悪い。凄いな〜、と単純に感心してしまいました。他にも気持ち悪い役を演じている作品があるみたいなので、見てみたいと思います。また、ヒロインを演じるアニヤも良かったです。メニューでもそうだったけど、洋服ビリビリで汗まみれの泥まみれが似合いますね。アニヤが演じたケイシーのストーリーが良かったのも好印象な要因。段々と明かされるケイシーの過去と、作品の中の今のストーリーがリンクしていって、ケイシーのストーリーのオチもしっかりありました。
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