幕のリア

ウィーナー 懲りない男の選挙ウォーズの幕のリアのレビュー・感想・評価

3.8
先日「女神の見えざる手」を観て、アメリカの政治や選挙の高度な情報戦の実態を見ようと思ったのだが…

とんだドブ板選挙!
スキャンダルなぞどこ吹く風。
ニューヨークのマイノリティ層浮動票を獲得すべくタフにピエロを演じる姿が勇ましくも見える。

選挙活動スタートで流される音楽は、
Rhythm Heritage「Theme from S.W.A.T.(反逆のテーマ)」!
日本では川口浩探検隊のテーマとして知られるが、日米共に反応のベクトルは同じと考える(゚ω゚)
SO NICE‼︎

アンソニー・ウィナーを支える妻はあのヒラリー・クリントンの右腕を務めたフーマ。
彼女のフランクで冷静な立ち振る舞いが痛々しくも心強く、下品な題材に品格を加えているようには"見えている"。
そして、厳しい選択を迫られる刺激的な展開に転じていく事に驚かされる。

政治家としての資質がどうあれ、パフォーマーとしての熱量が異常に高く全く飽きさせない。
どこぞの国の号泣会見元地方議員がほんの数十分しか輝きを放てなかったたのとは胆力に雲泥の差がある。

スキャンダルの内容はともかく、端倪すべからざる近い未来に対して、仕事人として生活者として果敢に挑む姿には刮目してみるべきものがあり、妙に元気になれる作品。

最後にアンソニー、
「このドキュメンタリーが笑い話以上のものになっていることを望む」
それ以上だったのは間違いない。
幕のリア

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