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ジュリアス・シーザーのmichiのレビュー・感想・評価

ジュリアス・シーザー(1953年製作の映画)
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またミクロス・ローザのサントラ目当てで鑑賞。歴史物作品の中でも特にサウンドが重厚で、行進シーンなどではハーモニーの下のテナードラムのきざみがかっこいい。
音楽だけ聴いてると何とも思わなかった使用人の眠そうな歌のメロディーが優しくて、その直後に流れる弦アンサンブルがとても美しくて泣きそうになりました。

映画の中身について。
大きい声で独り言を喋る人多数で、舞台を見ているような作りがおもしろい。
ストーリーは、野心や正義に基づいて裏切ったり欺いたりするわけですが、人の忠告はちゃんと聞いた方がいいとか、カリスマに熱狂して真実を確かめず既成事実が人々の原動力になるとか、年限は何百年も同じ過ちを繰り返してるんだなーと改めて思い知らされます。有名な戯曲どおりなので、何かがおもしろいというわけでもないですが。

中盤、マーロン・ブロンドの独壇場シーンがクライマックス。あのスピーチには本当に圧倒されます。

グリア・ガースン、デボラ・カーの使い方が贅沢すぎ。大事な役どころながら、ほんの少ししか出てきません。でも、ドロドロした話の中で光を放つように綺麗でした。
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