なすび

ジュリアス・シーザーのなすびのレビュー・感想・評価

ジュリアス・シーザー(1953年製作の映画)
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『ジュリアスシーザー』本で読んだ時は「うーん」って思ったけど映画で見てみたらおもしろかった。監督の手腕のおかげかもしれないし、紀元前のローマの、想像力では追いつかない舞台だったり衣装だったりが映像化されると楽しめるのもある!

特にお気に入りのキャラクターはキャシアス。演じたのはジョンギールグッドという人らしい、めちゃくちゃイケメソ〜!額を寄せたときにできるぶっといシワがセクシー。最初はこいつブルータスを利用して性格悪いなって思ってたのに、後半いつのまにかブルータスと親友になってて、作戦とかも全部言いなりやし、久しぶりに会ってする痴話喧嘩がまじブロマンスみやばい。「友だちなら欠点も見逃してくれるでしょ〜」とか「そんなに俺が信用できないならこの短剣で殺せ」とか、ブルータス大好き大好き度高め。結局「短気という欠点は母親譲りだから許してちょ🥺」でブルータスもさすがに可愛いなと思ったのか和解してました。その後まさかのブルータスの妻ポーシャが亡くなったことを知り飛び出す「お前さっきよく俺を刺さなかったな…」という言葉が一番好きです。なんだかんだキャシアスは可愛いやつなのよ。ラージャマウリ映画の悪役にも通ずるような、性格悪いんだけどどこか憎めないむしろ推してしまう要素を見出してしまったのでした。

この映画の唯一の苦手材料はマーロンブロンド💦まじで声でかすぎるし態度もでかすぎるし、私の思い描いていたマークアントニーよりどぎつかった。この後のハリウッドではたぶん彼のような「熱の入った」演技が賞賛され追随する俳優もたくさん出てくると思うんだけど、最近の私はそういう演技が苦手になってしまったんよな…。ゴッドファーザーのアルパチーノとか。やっぱりイギリス俳優のジェームズメイソンやジョンギールグッドの気品を保った演技の方がシェイクスピア劇には合ってるような気がした。

気になったこと
→この時代(紀元前44年のローマ)って、もう単行本みたいな形の本があったんすか…?マークアントニーが読み上げるシーザーの遺書は羊皮紙みたいなやつだから分かるけど、決闘の前にテントの中でブルータスが持ってるやつはこの時代まだなくないか!?たぶんこれは原作の問題だと思うよね。シェイクスピアはあんまり時代考証しない人だったって解説に書いてた。
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