イペー

ゴールド/金塊の行方のイペーのレビュー・感想・評価

ゴールド/金塊の行方(2016年製作の映画)
3.5
『フィツカラルド』ミーツ『ウルフオブウォールストリート』

そのうえ、デニーロならぬ、我らがマコやんアプローチまで加わって、そりゃあもう最高の映画…への道のりは険しかったようです。

鉱山採掘で財を成したパパ。マコやん演じるところのケニーは、偉大な先代を引き継いだものの、会社が傾きかけて火の車。
どうにか嫁や社員の期待に応えようと、一世一代の大勝負に出るのであります。

"プレートなんちゃらかんちゃら説"を唱え、かつて学会を席巻した地質学者、アコスタ博士とのうっす〜い伝手を頼ってはるばるインドネシア。

ヨレヨレの身なりで大言壮語するマコやんの姿に博士は何を感じ取ったのか、ちょっとヤケクソ気味な一蓮托生がスタート。

限られた予算、限られた人員、まさしく背水の陣。
見事金脈を掘り当て、二人はゲットザマネー出来るや、否や?

…まぁ、出来るんですけどね。
そこから始まる話だし、わざわざ雑なあらすじを書くまでもなかったね!

頭髪や体型に至るまで、徹底した役作りで臨んだマコ氏の役者魂は如何なく発揮されています。

彼が白ブリーフで一輪のバラを咥える姿。
この究極とも言うべきフォトジェニックな瞬間を目の当たりにして、危うく涅槃へと旅立つところでした。

裏を返せば、要所で強烈なインパクトを残すマコ氏のキャラクターに対して、彼の葛藤に説得力を与えるような登場人物や背景が、満足に描かれているとは言い難い。

ケニーという人物の並み外れたバイタリティ、その源泉がどこにあるのか?

愛、ロマン、友情、欲望、あるいは他の何か…のいずれであるにせよ、彼と周囲との関わりを描く場面に、そこを紐解くための糸口は見出せなかった。

奥さんも博士も部下たちも、みんな何考えてるかよくわからん!

山あり谷ありでテンポも良いし、それなりの娯楽性は備えてます。決してつまらなくはない。
ただ、設定やキャストなど魅力的な材料を揃えながら、仕上がりがどうも勿体ないというか何というか…。

それこそ、「ラスト10秒の衝撃!」なんてひと山いくらの安っちい宣伝文句で煽らなくて良いくらいのポテンシャル、あったんじゃないかなぁ…。

…いつか自分も白ブリーフを履きこなせるように…えっ⁉︎ ボクサーパンツ?
この、カッコつけマン‼︎
(自分はトランクス派)
イペー

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