えいがのおと

あなたを待っていますのえいがのおとのネタバレレビュー・内容・結末

あなたを待っています(2016年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

先行上映会にて鑑賞

まず、先行上映会は、監督、プロデューサー、出演者、スタッフが、二列にならないと登壇しきれないほどいらっしゃって、とても幸せな空気に包まれていました。
パンフレット、Tシャツ、ポスター、紹介用のビラと、お土産もたくさんあり、少ない制作費のところ、申し訳ないほどでした。

さて、作品はというと、パンフレットから引用するなら、ジャスティス映画ということで、漫画家の大橋裕之演じる、主人公の、彼なりの正義が描かれている。
震災を受けて東京は危ないという彼の主張を、震災後の日本を生きる誰もがわかっていることなのだけれども、現実性のなさや、楽観から、どうしても観客の私たちは笑ってしまう。
しかし、物語後半の、東京に残る者たちの会話で、客観的に自分たちに出会って、何を考えるのかが、この作品の肝だろう。
ただ、そんな面倒臭いことは、なんとなくでよいとして、ふわっとした空気感を楽しむのも、また面白い。
オシリペンペンズの、掴みどころない劇伴につつまれた本作は、出演する多くの人が、演技のプロでないため、掴みどころのない人々が映される。主演である、大橋裕之が漫画家であることは、もちろんso good!!であるとして、驚いたのが、山田孝之の東京都北区赤羽に出演した、一般人である悦子ママが出演していることだ。赤羽の作中劇よりも、はるかに上手な演技で、会場中を笑いに包んでいた。
そうした、雰囲気は心地よく、劇的なことはあまり起きないのだけれども、不思議と最後まで飽きずに引き込まれる作品だった。
1日3000円でも協力するという、製作陣の人望の強さに惚れ惚れする、そんな上映会だった