キンキン

あなたを待っていますのキンキンのレビュー・感想・評価

あなたを待っています(2016年製作の映画)
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 憎たらしくてゲロはいてばっかりなクズなんだけど、大地震に備えて女を作っては秋田に移住しようと考えている主人公を見ていると、例えそれが浮いていても前を向いているんだなー、って思っては自分と比較し辛くなった。サングラスの内側はぶれていない、真っ直ぐだ。

 いましろたかしさんの原作は、下層だったり昼間っから酒を呑んでいるような体たらくな人間を描いている印象で、女の子とヤりたくても美味しいところを持っていかれたり、紹介されても…だったりと、見ていて痛い。でも、レイプするほどの人間じゃないし、裏切られるし、憎めないんだよね。プロデュースに「ばかのハコ舟」の山下敦弘監督がいるし。それと、共同で松江哲明監督も。
 この二人は、テレビドラマの「山田孝之の東京都北区赤羽」でタッグを組みモキュメンメリー式で製作しており、それが本作にも表れていた。ドキュメンタリーの様に撮影することで、いかにも駅前で「あなたを待っています」と掛け札を下げた山本ロザさん演じる外国人や、漫画家の大橋裕之さん演じる主人公と山本ロザさんといまおかしんじ監督の娘が団欒する部分では本当の家族のようで、スクリーンと共に現実でも存在している様な錯覚が面白かった。
 他にも、キャストには「ローリング」の柳英里砂、川瀬陽太、音楽はオシリペンペンズに、エンディングテーマは坂本慎太郎と、集まってるんよねー。監督はピンク映画のいまおかしんじ監督で、地下アイドルの姫乃たまはムチムチでエロかったなー。

 観賞後に、公式サイトで本作が出来るまでの松江哲明監督のコメントを読んだ。「真剣に遊んだ結果が映っていた。」とあって、自主製作と言う手ぶれのカメラの外側には楽しんでいたスタッフ・キャストが浮かんでは、温かい気持ちになりました。
 最終日の上映に行ったのだけど、舞台挨拶後に皆さん、ポレポレの上にある魚民で打ち上げしていたらしく、ワイワイしたんだろうなー。

 そうそう、この映画って誰かとご飯食いたくなるんですよ。1人帰宅して食う飯よりも、誰かと寄り添って食う納豆ご飯の方が幸せだ。
 って事で、感想書き終えたのでご飯食べます。
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