イマージュのtristanaのレビュー・感想・評価

パリの宵の空気を下品な話し方でやたらとまくし立てる自称作家のモノローグがぶち壊して始まる。30そこそこに見えるのに声は驚くほど嗄れている。バラの棘で陰部を傷つける場面に徐々にクレッシェンドする例の噴水の素晴らしい編集、下着屋の店員はびっくりした様子を装いながら最初から下を履いていない（紺屋の白袴）。ブランデーのグラスと細い錐の先を同時にアルコールランプで熱しているゴシック部屋でめまぐるしく動くようにも見え、結局最初から変わっていなかったようにも見える三人の勢力図。アンニュイエロに中指を突き立てるような音楽にも気概を感じる。