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ソウル・ステーション パンデミックの消費者のレビュー・感想・評価

3.2
・ジャンル
ゾンビ/ホラー/アニメ

・あらすじ
ソウルに住むヘソンは家出して以来、散々な日々を過ごしてきた
過去には性風俗で働いており逃げた際に現在の恋人であるキウンに拾われたが彼はヒモとなり売春を強要する有り様だった
その末に彼女は堪えきれなくなり彼と喧嘩別れしてしまう
そして売春目的のネット投稿を見つけた彼女の父という男性、ソッキュは客を装いキウンを呼び出す
2人はヘソンの居場所を探すが彼女とキウンの住む部屋には誰もいない
そこで彼らは恐ろしい物を目にする
それは客の男に襲い掛かり噛み付く売春婦の姿だった
一方、ヘソンもウィルスパンデミックによって混乱する中でホームレスの男性達と警察署に駆け込むが感染はそこにも及び牢屋に逃げ込む羽目に…
果たしてヘソンとキウンは再会し生き延びる事が出来るのか?

・感想
「新感染」のスピンオフとして製作されたパンデミックの前日譚を描くアニメ映画作品で主人公のヘソンは元の作品で新幹線に感染をもたらした女性を演じたシム・ウンギョンが声優を務めている
そういった事もあってコンセプトや世界観は共通しているものかと思っていたものの実際に鑑賞してみるとかなりかけ離れていた

「新感染」は基本的に愛や改心、勧善懲悪などを軸として電車という舞台を存分に活かした名作だった
それに対して今作は「ソウル・ステーション」と銘打っておきながら駅はほとんど話に絡んでこない
そのせいで展開にも捻りがほぼ無いまま話は進んでいき尺は短めなのにも関わらず冗長に感じてしまった

モーションピクチャーを用いたであろうCGアニメ映像やキャストの声の演技などは日本のアニメみたいな誇張された口調でないながらちゃんとしていた
だからこそ話に面白さがあまり見られなかったのが残念

良かった所は終盤でソッキュが正体を明かしてからの胸糞展開くらいかな…
そもそも売春を強要するヒモであるキウンにヘソンが普通に信頼を寄せ続けていたのも違和感があったし…
警官達が市民の安全確保の意思などない存在として描かれていたのも話にもっと絡められたよなぁ…

韓国のアニメ映画は「整形水」に続いて観るのは2本目だけど出来の面では比べ物にならないと思う
せめて駅をもっと舞台として活かしてくれていれば…
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