このレビューはネタバレを含みます
【 知らないけど死なない 】
上京応援画なる存在だと思います。経済的な不安は側だけれど夢がある。
なんといっても“音”が印象的です。歌声、音楽、人や街の声…。常に映像の中では何らかの“音”が漂っています。まさに、本作の舞台である、大都会東京のようです。
首の傷の話や檻の中のライオンの話や、“死ぬこと”について考え出したら止まらない美香。片目が見えなくて、日によって“うるささ”がガラリと変わる慎二。変わり者のふたりの交わりが愛おしいです。こういう人たちがスゴいことをやってのけるような気がするのです。
大都会ながらも、慎二の質素な部屋も好感が持てます。一日一日を懸命に生きているのが伝わるからです。
お金ことや仕事のこと、恋愛のことなど予期せぬこと不幸は起きるもの。やはり智之の幸せ絶頂での突然死は衝撃でした。だけれどもその逆も然り。どんなイイことが待ち受けて幸せになるかも分からない。これだから生きるのってやめられない。
身の回りのことや未来のことは知りません。だけれど死にません。死ねません。