生きづらさというファクターは現代の大切なキーワードだと思っている。
だからこそ、俳優達がそれぞれ頑張っているのにも関わらず、それを作り手の独りよがりの安っぽいアクセサリーのように扱ってるように見えてしまうのが本当に残念だった。
その凡庸さのなかで、光っているのは田中哲司が演じるどうしようもない現場作業員が画面に出てくるシーンだった。
「恋しているんだよ。ざまぁみやがれ」
彼のそれでもくたばるまで生きてやるという眼差しはいつまでも余韻に残る。
映画に、アートに求めるのはこの途方もない小さな光なんだ。