鎌谷ミキ

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だの鎌谷ミキのレビュー・感想・評価

4.5
大阪で観ましたが、一時期東京(といっても市だから独特だったけれど)に住んでたので、渋谷・新宿の空気を思いだしながら。本作はやっぱり観光ではなく、東京に住んだことのある人の方が何倍も実感できるハズ。

私は孤育てで、違う意味での孤独を痛いぐらいに経験しました。今思うと、隣人もお話できるような人だったのに、何故なのか思い出せないぐらい。本作にも、隣人とのお話が出てきます。あまり多くは語れないけれど。

そうです主人公の美香、同い年ぐらいにこの映画を観てたら、心エグられてたでしょうね、ちょっと年を重ねてよかった。それでも見てられないんだけどね。慎二という青年の前向きさというか、根底部分がしっかり「生きたい」と強くあるから"闇"にひきずりこまれないんだろうなと思う。

若い人向けには、明るくてやたら前向きさを全面に押し出して「スッキリ爽快!」という方が好まれるだろう。でもたまには「生きるってどういうこと?」「恋愛って誰からも教わってないからうまくいかない」なんて映画で考えるのもいいんじゃないかな。そしてその姿に、年配の方も心をうたれてたよ。すすり泣いてたよ(私も同じく)

原作は詩なのですが(パンフのだけでも素敵)私の最も苦手な分野なので、いろんな映像そして刺激的な音楽で表現されている本作がいいな。ちょっぴり笑って息抜きできたりもして。
池松くん、ファンになったよ。すごくいい。
鎌谷ミキ

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