人里離れた土地で格安物件を購入したファミリーが、凶悪なサタニストの標的にされてしまう。悪魔崇拝をモチーフにした「ヘヴィメタル（ロック・ミュージック）」の精神をテーマに扱っている、サスペンス・ホラー映画。
メタル好きの父娘を擁する3人家族が、訳あり物件に入居するところから物語が開始。父はアウトサイダー系の画家であり、無意識的にヘヴィメタルのジャケットのような絵を描き始める。そして、愛娘は前入居者の奇妙な中年男に付け狙われてしまう。
凡百のホラーハウス系かと思いきや、別ベクトルからの変化球により、良い意味でビックリさせられる。小太りの殺人鬼がエレキギターの轟音の中で自閉していたり、監禁された娘が自力の脱出を試みたり、随所に見どころが用意されている。
例に漏れず、「主人公ファミリーの生命力が強すぎ問題」が働いているが、様式美の範疇として捉えることが可能。何よりも、「ヘヴィメタルの世界観を持ち込む」というパワー殺法が、独特なケレンミを作っている。
