TAK44マグナム

スケア・キャンペーンのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

スケア・キャンペーン(2016年製作の映画)
3.3
二転三転。


オーストラリア産の変型スラッシャーホラー。
「ベター・ウォッチ・アウト:クリスマスの侵略者」で気になった女優さんのオリビア・デヨングも出てると思ったら、悪霊メイクばかりしているので素顔出しが殆どありませんでした(涙)


標的に怖い思いをさせて、右往左往するところを見せるテレビのドッキリ番組「スケア・キャンペーン」も5シーズン目に入ると苦境に立たされていた。
ネットの動画サイトで、もっと過激な驚かし動画が増えてきており、世の若者たちはそちらへ興味が移っていたのだ。
なかでも、本物の殺人者ではないか?と噂される「マスクフリークス」なる集団の過激さは群を抜いており、豊富な資金源をもつらしい彼らは警察に捕まりもせずに活動を続けていた。
「スケア・キャンペーン」のスタッフたちは起死回生の一発を狙って、閉鎖された精神病院を舞台にしたドッキリを仕掛ける。
はたして、今回の標的は誰なのか・・・?!


プロットは悪くないです。
「ドッキリを仕掛けたつもりが仕掛けられていた」という話をホラー映画でやろうというのは、「ショックを与える」という一点をとっても親和性が高いのが一目瞭然。
実際に観てみると、それなりにハラハラできて面白いし、ドッキリをどう仕掛けていくのかの裏側が知れるのも興味深いです。

テンポが良いのと、そんなに数は多くないもののゴア描写を頑張っているのはグッジョブでしょう。
特に頭部顔面の輪切りは、かなりオッ!となる切り株具合で最高でした。
マスクフリークス達が使う、ビデオカメラと刃物が合体している凶器もバカで良いですね。
撮りながら殺せる(苦笑)
機能的だとでも言いたいのかな。
カメラに回転ノコやチェーンソーがくっ付いている俺ジナル凶器をマクスマンたち各々が持って迫ってくるところは、何だか世紀末的趣味で気分がアガりましたよ。


ただし、シナリオが素直すぎるのか、展開が先読みしやすいのが難点。
伏線の張り方もあからさまなところがあって、「たぶんこうなるんだろう」という予想がことごとく当たってしまい、驚いているのは劇中のキャラクターだけという事態に陥ってしまいました。

まぁ、展開が読めるのは置いておいても、オチが弱いのは如何ともし難く、終盤、急に弱気になったように尻すぼみになるのはどうしたものか?
マニアフリークスの連中は結局のところ何がしたかったの?
そのメッセージがイマイチ伝わってきませんでした。
だから、しっくりこない。
あいつらは、結局、バカッターの進化系みたいなものだったのか?

オチも、後味の悪さとか余韻が残るのを重視したのかもしれませんが、どうにもインパクトが弱すぎます。
「まさか、ここで終わらないよね?」と危惧したタイミングでエンドロールになるものだから、思わず口が尖りましたよ(苦笑)
カメラに気がついたんだから、あそこから先、まだ一悶着あるはずでしょう。
火葬も、あれじゃ全然ダメ。
なんで諦めの境地にたっしているの?
みっともなく叫ばせなきゃ!
これ、ホラー映画だよ?
「バタリアン」とは違うんだよ。あれはちゃんと諦めるまでのドラマがあったし。

とにかくオチがダメダメ!
覚醒したエマがマニアフリークスの連中を全員ブッ殺していたら神作だったのに、本当に惜しい。
回転ノコが外れるギャグで死んだ奴は、てっきりその後のエマ無双の伏線だと思っていたのに違ったので、心底ガッカリなラストでした。









・・・・・
さて、レビューも書いたことだし、寝るとするかな。

ん?
誰だ?
おい、一体・・・
お前たちは誰なんだ?
何をしようっていうんだよ?


・・・・・暗転。



アマゾンプライムビデオにて