ほとんど光量のない夜の闇の中に浮かび上がる2つのシルエット、2人は抱き合ったまま夜の闇に溶け合い一つに重なる。シャンタル・アケルマンはその様子を僅かにシルエットのみが判別出来るような遠い距離から静…
>>続きを読む毎夜毎夜、ああだといい。
観たはずの映像も、夢か記憶かと疑う最中、シーンシーンが頭からぼうっと消えてしまいそうな、幻影。
誰かを想い、手と手を取り合い抱きしめ合って、眠るように踊ろう。
それらは、映…
このレビューはネタバレを含みます
舞台はブリュッセル。
恋人たちのそれぞれの一夜の切り取り、でもそれらはコラージュなんかじゃない。
永遠でもない、瞬間でもない。
数々の出会いと別れと、言葉にならない想い。
石畳を歩く足音、アパルトマ…
問答無用に好きだ。家でずっと流しておきたい。一晩のうちに起こる人間同士の一瞬。よくあるテーマ、よくある作品、かも知れないが、アケルマンらしさによってセンス・オブ・ワンダーな一作になっている。画面に映…
>>続きを読む闇が表情を覆い、個人を剥ぎ取るけれど、決して人の輪郭は消さない夜の心遣い。
照らされる肢体を誰かも分からず抱き寄せる孤独は朝日と共に霧散し、其々の心に残るものを慮らずにはいられない。
不器用な抱擁…