SNOW

一晩中のSNOWのレビュー・感想・評価

一晩中(1982年製作の映画)
4.0
シャンタル・アケルマン映画祭にて鑑賞。

アケルマンは、とにかく劇映画がずば抜けて面白い。初期は特に自身を投影したような作品が多い印象があるが、「囚われの女」のようなジャンル映画もすごくいい。

それらに対して、本作はそのどちらにも当てはまらないような不思議な代物だった。複数の人間が入れ替わり立ち替わり登場するが、絶妙に誰にもスポットが当たらない。主に男女が恋を酌み交わす、とある街のとある一夜が断片的に捉えられているのみだ。

ジム・ジャームッシュがその影響を公言している1本でもあり、確かに「当たり前のように」何も起こらない。アケルマンによると、書き溜めていたシナリオの最初の部分だけを寄せ集めて1本の映画にすることを思いついたらしい。なるほど。

撮影はゴダール作品で知られる、名匠カロリーヌ・シャンプティエ。
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