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ストレンジャーズ6のzhenli13のレビュー・感想・評価

ストレンジャーズ6(1949年製作の映画)
3.4
寧ろこの作品がヘイズコード下で公開できたのかと。キューバが舞台で、反乱分子が主人公でも民主主義を謳ってるからOKだったんだろうか。ロケ撮影はロングショットのみでおそらく代役、主要役者の顔が映るシーンはほぼスクリーンプロセスなのでなかなか不自然。そこらへんも事情が色々ありそうな…単に低予算だからかもしれないけど。トンネルは矢鱈ちゃんとしている。

ジェニファー・ジョーンズの弟の仇討ちという目的が微妙に雲散霧消し、ジョン・ガーフィールドによる政権転覆の大義に塗り固められていく。集まった6人は台詞で出自が示されるくらいで一人ひとりの色というか面白さが弱く(労働者階級出身の口髭男が場の空気を読まずギターを爪弾くくらい。このギターが結構いい)大義を貫く動機もあまり表されないなかでここまでやる説得力に欠け、集まった彼らの絆が出来ていく様子も無い。途中ちょっと寝落ちしたので私が観てなかっただけかもしれないけど。お約束としてガーフィールドとジョーンズが恋仲となるが、精神錯乱する仲間の男はほとんど厄介者扱い。秘密のトンネル掘り映画にハズレ無しと思ってたが…ベッケルの『穴』はやっぱりすごい作品だったんだな。

ラストの銃撃戦あたりはよかった。機関銃を乱射するジェニファー・ジョーンズの形相に、彼女がこの役を受けた理由を色々想像させるものがあった。
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