ーcoyolyー

ドリームのーcoyolyーのレビュー・感想・評価

ドリーム(2016年製作の映画)
4.3
2019年10月31日に書いた感想がFBから発掘されたのでこちらにも貼っときます。


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「ドリーム」観た!ブラックパワー!ブラックイズビューティフル!という単純な高揚感に浸れる訳ではなく、あえてNASAに雇われる黒人女性なんて東京医大の例を出さずともわかるように白人男性より優秀に決まってるんですよね。
なのに賃金は安くて正規ではなく非正規雇用で使い捨てする気満々な訳で、それを跳ね返すためにいちいち「前例」にならなきゃならないってどういうことだと、苦しくなりますよね。彼女たちより少しくらい劣っていても白人男性なら物語にもならず漫然とあそこで働くエリートとして持て囃されるんですよね。本筋じゃないから描かれてませんけどキルスティン・ダンスト演じる白人女性も優秀でも男性とは待遇違うんですよきっと。
彼女たちが自分たちの境遇を跳ね返すために必要なのも理解ある白人男性上司っていうのがほろ苦いんですよね…親がホロコーストで殺されて苦労したユダヤ人上司とか能力さえあれば白人でも黒人でも男でも女でも野良猫でもネズミでもクソでも使う、という変人上司じゃなければ使いこなせないんですよ。なんでこんな苦労しなきゃならないんだろうと思いますよね。
彼女たちは非常に賢くて、節度も弁えてるから極力取り乱さないように訓練して知恵を働かせるスーパーウーマンだけど、そんな強くなれる人なんて中々いないもの。「強くなれ」とそれを押し付けるのも違うよねと痛感する。誰もがなれる訳じゃないのに男性はこういうの観てすぐ引き合いに出すし、あれ本当うんざりしますわ。自分はそんな堪え性ないのに私たちに押し付けてくるその鈍感さにぶち当たると率直に「その感性と共に死ねよ」と思いますよね。
ーcoyolyー

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