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ドリームのayukaのレビュー・感想・評価

ドリーム(2016年製作の映画)
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もう最高でした。それにしてもなんで日本での公開がこんなに遅くなったんだ!?

何とも胸を打つ、涙がじわじわ出てきて鼻がツーンとしちゃう場面が何箇所もありました。60年代。 黒人。 女性。この時代に黒人の女性であることがどれほど苦しかっただろうか。それを、間近でみているような気分だった。黒人の女性たちが出てくる映画、または彼らの権利問題を扱った映画はあるだろうけれど、これほど観客に寄り添わせる映画はあったのかな。この映画の黒人女性たちは力強く、自分たちを哀れむだけじゃない。彼らの悲しみだけを描く映画じゃない。だから最高な映画だった!って言えるんだろうな。

白人男性ばかりのオフィスに入って行った時の気まずい雰囲気、トイレも水飲み場もバスもコーヒーポットさえも分けられている、それが当たり前の社会があったということが信じられない。それをまじまじと映画の中で感じて、唖然とした。人間に呆れたというか。そんな立場じゃないけど。あの時代と苦悩の末に、まだ完璧ではないけれど、今の時代がある。そう考えると何て不平等なんだろう、しかもなんて意味のない理不尽な不平等さだろう、と。なんで肌の色で人を分けることが意味のないことだと分からないのだろう、考えないのだろう、とそんなことばかり。きっと今の時代だからこう思うのかな。でも本当にそう思う。

女性であることもまた然り。今の日本でもそういうところがあるな、と感じるところはあるけれど、男性と女性が同じ能力を持ち同じだけ発揮しても男性の方がはるかに認められるということ。今でも昔でもこれは社会の作り出した変なしきたり。男を責めているんじゃなくて。もう勘弁してくれよって感じ。今の時代、欧米では特にそれが改善されてきている。それも先人たちの、まさにあの3人のような戦士たちのおかげなんだな。でもまだまだ足りないけどね、そこは私たちが戦う番だ。これは第何次フェミニズムウェーブだろう。がんばろうぜ世界の女たちよ!!!(笑)

とにかく、60年代アメリカ、黒人女性がどのような扱いを受けていたか、というのがとってもよく分かったし、そしてそれをみてとても胸が痛くなった。それだけでも価値のある映画。60年代、抑圧された人々の解放運動、黒人、女性、ゲイ、マイノリティ。改善に向けて戦ってくれた全てのHidden Figures に圧倒的感謝。ありがとう。

色々な側面で平等に向けて戦う今の時代、今もまた60年代に似ている気がする。がんばろうぜ世界の女!男!有色人種!マイノリティをサポートするすべての友人達!
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