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たたら侍のodyssのレビュー・感想・評価

たたら侍(2017年製作の映画)
2.0
【戦国大名は何でも滅ぼしたのか?】

錦織良成の『高津川』を鑑賞して監督の限界を感じたので、数年前に見たこちらもレビューを投稿しておきます。

出雲の砂鉄から刀剣などを作る技術を持つ職人の村が、戦国時代に有力な大名から攻められるという話をもとに筋書きが進行します。

この設定が、アリエネーなんですよね。
そういう技術を持つ村があったら、自分の味方にして、上質の刀剣類を自陣営のためにたくさん製造させよう・・・と考えるでしょう。
滅ぼしちゃったら、元も子もない。

そもそも、です。
戦国大名だから何でも滅ぼすと思っているのが、アウト。
戦国大名が農村や漁村をいちいち滅ぼしていたら、自分の食べるものだってなくなってしまう。
そんなことが分からないほど戦国大名はバカじゃない。
自分に敵対しない限り、村はそのままにしておくのが常識。

略奪で生きている少人数の野武士集団ならいざしらず、この映画の設定はどうみても変。
筋書きも練られていない。
錦織良成の脚本家としての能力が疑われてしまう。
残念。
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