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Hospital(英題)のadeamのレビュー・感想・評価

Hospital(英題)(1977年製作の映画)
2.0
キェシロフスキがフィクションに乗り出し始めた頃に制作され、クラクフ短編映画祭でグランプリを受賞した短編ドキュメンタリー。
病院で患者の治療に奔走する医師と看護師を追った内容で、朝の8時の打ち合わせに始まり、診察と手術であっという間に丸一日が過ぎていく様を1時間ごとに描いています。
手術シーンのピリピリした雰囲気や痛々しい描写は遠くから覗き込むような撮り方も相まってリアリティにあふれているのですが、バックヤードで打ち合わせたり一息つく場面はわざと近くのカメラを無視して会話させているようにも思え、フィクションとドキュメントの狭間にあるような印象でした。
猫が庭で遊び始めた明け方に語られる医師たちの使命感は立派でしたが、到底人間的な働き方とは感じられず、患者との挨拶が交わされて始まる次の1日が永遠に続くループのようでゾッとしました。
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