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Fabryka(原題)のBONのレビュー・感想・評価

Fabryka(原題)(1971年製作の映画)
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ポーランド共産主義がなぜ崩壊したのか。キエシロフスキが当時のポーランド共産主義体制下にあった工場の官僚的な日常を追いかけた短編ドキュメンタリー映画。

冶金工場の荒々しい映像と、経営に携わる様々な役員の会議の様子が交互に映し出される。工場の管理者が生産量と製品の品質をいかに向上させるか、外部の工場の部品を淹れるか、高く設定されたノルマを達成できないなど、とお互いに非難し合う。

ポーランドの共産主義の正体は、無限に続く無意味で解決できない会議のように、本来であれば底辺の者も平等に共存する社会体制の理想を追いかけるフリをしたトップによるただの無能なお遊びになってしまっているということを、当時彼らが直面していた労働環境と管理体制を通して暗喩している。

会議の長回しとカットの編集がカッコイイ。
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